発つ(たつ)

出発する。出かける。「起つ」「立つ」とも書く。「旅立ち」って書くと「立つ」でも同じなんだなとわかる。ただ、私的には「立つ」はあまり使わない。「旅立ち」はともかく、「立つ」と使う場合には「人が立つ」とか「煙が立つ」みたいに下から上への動きに使う方が圧倒的に多い。動きがあるという点ではどっちも似たようなものだけど、「ゼルテニアを立つ」という文章と「ウォーレンが立つ」という言い方を重ねた場合、字面で一発で区別がつかんというのは好みじゃないの。文脈でわかるようにというのも文章の書き方だと思うんだけど、意図的に漢字を変えておいた方がいい。それに見た目にも動きなくなるし。で、水平の動きには「発つ」、垂直の動きには「立つ」としてる。

同義語は「出かける」「向かう」。反対語は「帰る」「戻る」。

ゼノビアを発って3日目、白竜の月18日、船はもうじきアヴァロン島に着く。(Stage 5)
「明日に発つ」(Stage 5)

「発つ」と言うとまだ動いていない。「発った」と言うともう出かけたけど、まだ着いたかどうかわからない。「発った」の方が時間的に広いのは「出かける」などと同じ。「発った」とか「出かけた」だと、動き出したという行為だけを指しているからかな。
「出発」という熟語があるように、「発つ」という言い方には「立つ」よりもより積極的な印象がある。

ちなみにこの辞典では「○○する」といういわゆる名詞に「する」つけて動詞にするサ変動詞は入れてない。サ変動詞も入れると動詞はすごく増えるので、やめることにした。サ変動詞はだいたいふつうの動詞で置き換えできるものだと思うしね。